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2018.3.23

自分が今、手にしているものに目を向ける


綾小路きみまろ氏の心に響く言葉より…

その昔、オーストリアに、エリザベートというそれは美しい女性がいたそうです。

貴族の娘として生まれたエリザベートは、やがて皇帝に見初められ、16歳でオーストリア皇后となります。

ところが生来の自由人気質から、堅苦しい宮廷生活を嫌い、ヨーロッパ各地を旅行してばかりだったとか。

皇后としての職務だけでなく、妻や母としての役目も果たそうとしなかったエリザベートは、やがて宮廷内で孤立していき、その寂しさから、さらに破滅的な行動に拍車がかかっていったといいます。

そんなエリザベートの唯一の武器は、圧倒的な美貌でした。

彼女は美しい顔立ちをしていただけでなく、身長172センチの長身、体重は45キログラム程度。

ウエストにいたってはなんと50センチと、驚異的な体型の持ち主だったそうです。

エリザベートの美に対する執着は、常軌を逸していました。

美貌と若さを維持するために、肉は一切食べず、食事は専(もっぱ)らブイヨンやオレンジジュース、ミルク、卵の白身だけで済ませていたようです。

また、体型維持のため、何人もの侍女を従えて1日中宮廷内を早足で歩いたり、毎晩お酢に浸した布をウエストに巻きつけて過ごしたりしたといいます。

しかし、それほどの努力をもってしても、老いに抗(あらが)うことはできませんでした。

晩年、エリザベートは、分厚い黒のベールを頭からかぶり、さらに扇や日傘で隠して、決して顔を見せようとはしかなったといいます。

シワやシミだらけになってしまった自分の醜い顔を、人前にさらしたくなかったからです。

その後、1898年に、エリザベートは旅行先の湖のほとりで暴漢に胸を刺され、その生涯を閉じます。

死後、彼女の波乱に満ちた人生は舞台化され、現在も世界中で人気を博しています。

女性に美に対する憧れと執念は、今も昔も変わりません。

エリザベートの歩んだ人生を見てみると、美しさを手に入れることが、必ずしも人生の幸福につながるというわけではなさそうです。

彼女は、圧倒的な美しさによって大きな成功を手に入れました。

しかし美しかったゆえに、それを失うことを、人一倍恐れた。

老いて醜くなるほど、彼女の苦しみや孤独は、人の何倍も大きく膨らんでいったのです。

人は、必ず老いていきます。

その運命からは逃れられません。

美しい人はたるんでいく顔に、たくましい人はやせ細っていく体に、聡明な人はぼんやりと鈍っていく頭に、人一倍悩んで老いていきます。

人よりも輝いている部分をもっている人ほど、人生の後半は、それに悩まされて死んでいくのです。

人生は、良いことも悪いことも全部半分ずつ、均(なら)せば同じ。

最後は、ちゃんと辻褄が合うようにできているのですね。

どんな人にも、その人にしか務まらない役割があると、私は思います。

美しくなくとも、体力がなくとも、全員、どこか一つはいいところが必ずある。

人には、それぞれ生まれ持った器があるのです。

美しさや若さは眩(まぶ)しくキラキラ輝いて見えますが、日が陰り光を失ったときにこそ、その人の正体は生々しく浮かび上がります。

自分にないもの、失ったものと同じだけ、自分が今、手にしているものに目を向けられるか。

そこに人生を最後まで楽しむヒントが隠されているように、私は思うのです。


《優れた部分がある人ほど、最後はその衰えに失望しながら死んでいく。自分にないものではなく、手にしているものに、目を向けて生きよう。》

『しょせん幸せなんて、自己申告。』朝日新聞出版


絶世の美女と言われた、小野小町の詠んだ歌。

「花の色は うつりにけりな  いたづらに  わが身世にふる  ながめせしまに」

桜の花の色は、 長雨が降り続く間に 、衰え色あせてしまった。

私も、恋や世俗の事に思い悩んでいるあいだに、むなしく月日を過ごしてしまった。

ちょうど私の美貌が衰えたように。

そして、こんなすさまじい辞世の句を残した。

「われ死ねば 焼くな埋むるな 野にさらせ 痩せたる犬の腹肥やせ」

もし、私が死んでも、焼いたリ埋めたりしなくてもよい。

野に放り出して、痩せた犬にでも食わせてやってくれ。

どんなに絶世の美女であろうが、時がたてば老い、そして死んでいく。

そして死ねば、自分の体は、あの世に持っていくことはできない。

これは、財産も、名誉も、肩書も、みな同じこと。

だからこそ、無いものを嘆くのではなく、今自分が持っているものに目を向け、そしてそれがあることに感謝することが必要。

今、仕事があり、家があり、家族や友や仲間があり、そして、 生きていること、五体あることに感謝する。

幸せな人は、ないものを嘆くのではなく、今あるものに感謝する。

自分が今、手にしているものに目を向けたい。


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