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2018.5.28

何のために命を使いたいのですか?


メンタルトレーナー、梯谷幸司氏の心に響く言葉より…

私は30年間、経営コンサルタントから始まり、ビジネス・コーチ、そしていまはメンタルトレーナーとしても活動しています。

税理士試験をパスした私は、20代の頃、会計事務所に勤めるようになりました。

その頃、日本に入ってきたばかりのNLP(神経言語プログラミング)などさまざまな自己啓発セミナーに参加していたのですが、そこで、estという不思議なセミナーに出会います。

禅問答のような、さしておもしろくもなく、わけのわからないセミナーに出た後、急に流れが変わったのです。

私はアシスタントだったにも関わらず、私に担当してほしいというクライアントが急増し、先輩からも不信がられました。

その自己啓発セミナーは、世界的な経営コンサルタント、ワーナー・エアハードがプログラムしたもの。

ジョン・レノンや第39代アメリカ大統領ジミー・カーターにも大きな影響を与えた、桁違いに成果が上がるプログラムだったのです。

本当の自分を生きること。

それはビジネスがうまくいくとか、健康になるというレベルを超えた、生きる本質と言えます。

ビジネスがうまくいかない、病気が治らない、という方が相談に来られると、私はこういう質問します。

「そもそもあなたは何のために命を使いたいのですか?」

ほとんどの人の反応は、「・・・・」。

そこで質問の方向性を変えて、「どうして売上げを伸ばしたいのですか?」と聞くと、「売上げが伸びないと社員を養っていけないから」。

「何のために病気を治したいのですか?」と聞くと、「とにかく死にたくないから」「痛いのが嫌だから」。

これらはごく表面的な答えでしかありません。

「健康になって、その次の目標がないんですか?」「・・・・」。

「売上げを伸ばして、そのあとの目標がないんですか?」「・・・・」。

これでは残念ながら病気は治りません。

売上げも伸びません。

そもそも自分を社会のルールに当てはめて生きている人が多いので、本当の自分が何を望んでいるのかがわからない。

それがビジネスも健康もうまくいかない現象となるのです。

本当の生きる目的を見出し、そのための行動をとり始めると、結果は驚くほど変わります。

つまりは、自分の命をどう使いたいのか、ということです。

2017年の夏、SPA!オンライン版に「『ポジティブ偽装』の人は病気になりやすい」という記事をとりあげていただきました。

その記事を見た方々からの反響がすごかったのです。

定年退職を迎えてからがんを発症したという50代の男性からのご相談でした。

私も不思議に思っていたのですが、ある文献を調べていたら、フロリダの事例が出てきました。

定年を迎え退職金を手にした人、あるいはビジネスに成功し早期リタイアする人、そんなアメリカ人はセカンドライフにフロリダへ移住する場合が多いそうです。

気候が温かくて仕事からも解放されているのだから、さぞ長生きするだろうと思いますよね。

ではみなさん、彼らの平均余命はどのくらいだと思いますか。

実は、移住してから1年半で亡くなる方が多いらしいのです。

その事例と、 SPA!オンライン版の読者の方々からのご相談が重なって、「それだ!」と思いました。

人間は進化し成長したい生き物です。

ですから、「十分働いたから進化も成長ももういい」という意識になっていくと、生命のシステムが、「あなたはもう成長や進化をする気がないんだね。じゃあ1回終わりにしようか」と、命のカウントダウンに入ってしまうのではないか。

「さあ、どうする?」と、生死の覚悟を突き付けられているのではないかと思いました。

安心感やリラックスは必要ですが、そればかり求めると病んでしまうのです。

『“偽りの自分"からの脱出』幻冬舎


梯谷氏は、本書の中でこう語る。

『「手段の目的化」はうまくいかない。

ギリシャ哲学にはそう書かれているそうです。

結局、ビジネスでも恋愛でも病気でも、手段に焦点が当たっている人はうまくいきません。

お金が欲しい、愛情が欲しい、健康が欲しい、というのは、全て手段でしかありません。

それを得ることによって何が欲しいの?

意識の奥にあるものがはっきりしないと、全ては動かないのです。』

全ての人にとって最も大事な問いかけは、「あなたは何のために自分の命を使いたいのですか?」。

すると、生きるための真の目的が見えてくる。

「何のために」という問いを、何度も繰り返した先にある最後の問いがこれだ。

お金も、仕事の成功も、愛情も、健康も、すべて自分の命を使うための手段。

それを「使命」という。

使命とは、この世に生まれてきた意味を自覚し、その役割をはたすこと。

お金も、仕事の成功も、愛情も、健康も、すべて揃(そろ)っていたとしても、それでもなお、命をかけてやりたいことだ。

すべての人には、この世に生まれてきた意味がある。

自分の命を燃やす使命を見つけたい。


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