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2008.5.7 朝日新聞
空中に漂う微粒子
PM2.5、病気との関連確認
数値設定など課題山積み

「PM2.5」と呼ばれる空気中を漂うごく小さな粒子状物質について、環境省の検討会が「呼吸器系疾患だけでなく、循環器系疾患や肺がんとの関連が認められる」と結論づけた。焦点は対策をどう進めるかに移るが、排出の実態把握や目標数値の設定など、その前にクリアすべき課題は多い。

有害成分多く肺の奥まで
 PM2.5は、自動車や工場の排ガスなどからできる粒子状の物質で、大きさが2.5マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1_)以下のものを指す。鼻毛や気管で引っかかる土ぼこりや花粉など比較的大きな物質と違い、肺の奥深く届くうえ有害な成分が集まっている。
 検討会は、99年度以来8年間にわたった疫学調査や動物実験の結果などで影響を評価した。
 呼吸器系では、PM2.5を吸うと鼻や肺に炎症が起こり、ぜんそくやアレルギー性鼻炎を悪化させる可能性があるとした。国は従来、大きさ10マイクロメートル以下の粒子状物質(PM10)について、呼吸器系疾患との関連から環境基準を設けて監視してきたが、PM2.5でも同様の有害性を確認した。
 今回、特に注目されたのは、循環器系疾患や肺がんとの関連だ。報告書は循環器系については、肺を通って心臓や血管に入り込み、「不整脈や血栓を起こしやすくする」と評価。発がん影響では、PM2.5がディーゼル車に由来する有害な物質を含むことから「少なくとも部分的に発がんに関与することが示唆される」と遠回しに認めた。
 検討会座長の内山巌雄京都大学大学院教授は「国内の研究データを用いて結論を出したことが大きい」と意義を述べた。

国内で遅れる規制の整備
 PM2.5は、まだまだわかっていないことが多い。
 原因物質である窒素酸化物(NOI)や硫黄酸化物(SOI)、揮発性有機化合物(VOC)の主な排出源は、一般に工場や自動車が疑われている。だが、ほかにも発電所や汚泥焼却炉、船舶などがある。火山や黄砂、植物といった自然からの発生もあるとされる。「排出の割合がはっきりしないことには、効果的な排出抑制対策はできない」と4月末にPM2.5の検討会を独自に立ち上げた東京都の樋口幸弘基準担当課長は指摘する。
 西日本や日本海側の地域では越境大気汚染の影響などが大きく、単体の大気汚染物質と異なり、全国一律の環境基準値でいいのかも検討が必要だ。
 PM2.5は、米国が97年に環境基準を設定、世界保健機関(WHO)も06年に指針を示した。欧州連合(EU)も基準値の設定を加盟国に求める「指令」を今月にも公表する見通しで、日本は遅れている。






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