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2011.10.24

くよくよしていたら人生、損をする

80歳の現役、鈴木かつ子さんの心に響く言葉より…

アメリカ国民は70.5歳になると年金を受取る権利が与えられる。
もちろん65歳から申請すれば、額は少ないがもらえる。

ある日ソーシャル・セキュリティー・オフィス(社会保険事務所)から呼び出しがあり、
出向いたら「あなたは年金が受取れるから手続きをしなさい」と言われた。

「私はまだ働いているから年金はいりません」
「いや、それでは困ります。
もらったうえで投資したらどうですか?」
「いえ、いえ、投資なんか興味がありません」と押し問答。

ソーシャル・セキュリティー・オフィス始まって以来の珍事だそうだ。
101歳になってからいただいても遅くないし…

私が成功するのはいまからだと思っている。
いままさに成功に向けて動き出しているのだ。
私が大金持ちになったら難病で苦しんでいる子どもたちがいる国や
生まれ故郷の八代のためにお金を使うつもりだ。
これが私の夢なのだ。

私は今年で80歳。
私の座右の銘は「今を生きる」だ。

私は生かされている、その一瞬を大事にしている。
この考え方はいろいろなところで役に立っている。
80歳にもなれば、階段を上るのも億劫になってきて、エレベーターやエスカレーターを使いたくなるものだ。
でも、私はいつでも楽しんで階段を使う。
ニューヨークの地下鉄の駅には長い階段があるが、私はこれをエクササイズに見立てて上るのだ。
どこでも体を鍛える。
それと同時に心も強くなっていくからだ。

「鈴木さんは未来の話をよくしますね」
いろいろな方とお話させていただくと言われることのひとつだ。

私は常にポジティブで、時計の針のように一刻一刻、前に進まなければいけないと思っている。
まるで何かに突き動かされているようで、後戻りすることは決してない。
常に前を見て歩くのだ。
そうするとネガティブに陥ってしまうことはない。

過去のこと、とくに嫌なことは片っ端から忘れること。
でもお世話になった人のことは忘れてはいけない。
だいたい過去のことに縛られていたら体を壊してしまう。
とくに嫌だったことにこだわったら進んでいくことはできない。
だれだって嫌なことはいっぱいあるものだから。

ネガティブになると体調に影響してしまうから、とにかくポジティブ姿勢を貫く。
それが私の健康の秘訣なのだ。
くよくよしていたら人生、損をしてしまうと思うからだ。

『60歳なんて怖くない』ビジネス社

鈴木かつ子さんは、ニューヨークの高級物件を扱う不動産会社、
コーコーラングループの現役のバイスプレジデントだ。
コーコーラングループは、約2500人の社員を抱える大きな不動産会社。

英語も満足にしゃべれない、かつ子さんは、60歳の時に入社試験を受けて、
当時はまだ社員が50名ほどのコーコーラングループに入社することができた。
入社してからは、持ち前の明るさとバイタリティで、不動産の資格も取り、
多くの顧客の信頼を得て、バイスプレジデントまでのぼりつめた。

しかし、子どもの頃からのかつ子さんの人生は波乱万丈を絵に描いたような人生だった。
父親は豪放磊落(ごうほうらいらく)だが、二号さん、三号さんがいるという複雑な家庭。

若いうちに駆け落ちして所帯を持ったが極貧生活となる。
子どもが生まれた頃、夫が愛人をつくり、ショックのあまり自殺未遂をはかるが、結局は離婚する。
その後、女手一つで、子どもを育てあげた。

しかし、アメリカに行きたいという子どもの頃からの夢を忘れられず、
日本に駐留するアメリカ兵と結婚し、アメリカ国籍をとり、渡米。

そのアメリカ人とも離婚し、その後、駐米日本人商社マンと結婚し、子どもを二人もうける。
そして、子どものすすめもあり、専業主婦だったが、60歳にして、不動産会社に入ったのだ。

多くの人は、適齢期に、よい相手を見つけ、結婚し、子どもをもうけて、平穏無事な家庭を築くことを夢見る。
だが、世の中には、結婚する人もいれば、離婚する人もいるし、また、結婚しない人もいる。

そんな生き方が、少し不安で、心細く思ったときは、鈴木かつ子さんの人生を思いおこすといい。
世界には、豪放磊落、骨太で、スケール大きく生きる人がいる。

「くよくよしていたら人生、損をする」
いくつになっても、ポジティブで、過去の嫌なことはすぐ忘れ、常に「未来を語る人」でありたい。



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