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2016.3.13

ちょっと足りないくらいが心地良い


前リッツカールトン日本支社長、高野登氏の心に響く言葉より…

「人知れず」「誰も見ていないところで」など、本物と言われる人は陰でどんなに努力をしていても、それを表にださないものです。

ホテルの現場も同様です。

お客様のために私たちスタッフはこんなにがんばっていますとアピールするのも、努力の跡を見せてしまうのもプロとしては失格なのです。

それが見えてしまうようでは一流のホテルマンとは言えません。

役者でも、職人でも、ホテルマンであろうとも、プロフェッショナルであればあるほど謙虚で自己アピールなど一切せず、ひとりコツコツと努力を続けています。

厳しいようですが、美徳自慢などは無粋の極みと言われてしまいます。

周りを見回してみても、すごい仕事をしている人や忙しい人ほど、そんな素振りは一切見せずに、穏やかで飄々としています。

逆に「どうだ、俺ってすごいだろう」とか、「忙しくってたいへんだ」と大騒ぎをしている人ほど、実はそうではなかったりします。

こんな話題を持ち出したのは、つい最近「リア充」ということばを知ったからです。

「リア充」とは、現実の生活、つまり「リアル」が充実している様子を省略して表すことばです。

そして、いまフェイスブックなどのSNS上には、この「リア充」ぶりをアピールする人があふれているというのです。

フェイスブックでは気になる投稿に対して「いいね!」ボタンをクリックします。

その「いいね!」の数を追いかける人、承認欲求の強い人が増えているというのです。

その背景にあるのは、自分の生活の充実ぶりを、周りの人にアピールしたいという自己顕示欲があるようなのです。

そんなことをしても、逆に「リアル」からはますます遠ざかってしまうという矛盾に気がつかないのです。

「リア充投稿」をみていると、「秘すれば花」という日本人の美徳はもはや死語になってしまった感すらあります。

極端な感情表現や口に出すのも憚られるような恥ずかしいことは、秘しておくのが恥の文化を尊ぶ日本人の美徳でした。

人間ですから、誰でも悔しいこと、悲しいこと、つらいことはあるものです。

愚痴を言いたくなること、怒りをぶちまけたいこともあるでしょう。

それは年齢を重ねても同じです。

喜怒哀楽の感情の波間に漂うのが人生です。

その波に負けそうになりながらも、ときにはグッと涙をおさえ、陰でそっと涙をぬぐう。

喜ばしいことがあったときほど浮かれ過ぎず、静かに嬉しさをかみしめる。

それもまた日本人の持つ美徳ではないかと思うのです。

『(047)あえて、つながらない生きかた (ポプラ新書)』ポブラ新書


高野登氏はこう語る。

「『粋』という字は、米偏に『九』と『十』で成り立っています。

これは、『九』では足りないが『十』では完璧すぎる。

完璧には米粒ほどの差で届かないくらいが『粋』だとされていたからです。

何ごとも肝心なのは程々(ほどほど)に留めておくこと。

ちょっと足りないくらいが人にとって心地良く、いい塩梅なのだという懐の深さからきています」(同書より)

人は、自分のことを知って欲しい、認めて欲しいと心の底でいつも願っている。

しかし、それを自らペラペラとしゃべってしまったら、偉そうな自慢以外のなにものでもなくなる。

多くの人は、「程々に」、「我慢する」、ということが苦手だ。

だからこそ、すべてがオープンになるIT全盛の世界にあって、「秘すれば花」という価値観はますます光ってくる。

「ちょっと足りないくらいが人にとって心地良い」

粋な人をめざしたい。


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