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2017.11.28

1つの能力、1つの特技、得意技では、世の中を渡れない

櫻井秀勳氏の心に響く言葉より…

いまの世の中は、リタイヤできない仕組みになってきました。

おそらく75歳まで働かないと、元気で楽しい一生にならないと思います。

そうなると、ざっと50年は働かなくてはなりません。

これを前半生と後半生に分ければ、いままでの2倍は働かなくてはなりません。

たったこれだけ考えても、1つの能力、1つの特技、得意技では、世の中を渡れないことがわかります。

多才力は、どうあっても必要かくべからざるものになってきました。

前半生のうちに、後半生で活用できるような勉強をしておくことが、求められてきたのです。

もっとくわしくいえば、いまから10年後、20年後、30年後を、それぞれの年齢に応じて見通さなければなりません。

かりに現在30歳だったら、60歳頃の社会をじっくり考えないと、後半生で大失敗することになりかねません。

生きていこうにも、職もない、貯えもないという状況になっているかもしれないのです。

私がこういうのも、私の同期で失敗した男たちが、大勢いるからです。

彼らの多くは、私より優秀でした。

だから、私もうらやむような一流会社に就職しています。

ところが世の中の流れは、それらの大企業を、あとかたもなく押し流してしまったのです。

巨大な変化の圧力は、私たちの安定した生活を、こっぱみじんに砕いてしまうのです。

一流企業に就職できても、いまはなんの保証にもなりません。

下手をすると1年で、希望退職を求められてしまいます。

そういった不安定な世の中で、自信ある生活をするには、どうしたらいいのか?

一つには世の中の流れを読むことでしょうし、自分自身に実力をつけなければなりません。

要は、いまを重く見るか、将来を大事にするかなのです。

もう少し深くいうならば、見えるものに寄りかかるか、見えないものを大切にするかなのです。

私は後者で勝負してきましたが、それは人それぞれでしょう。

社会は常に新陳代謝しています。

古いものはなくなりはしませんが、舞台裏に引っ込むことはたしかです。

それらを知識として貯えておくことは、とても大切ですし、意外に喜ばれます。

多彩とは、単に華やかというより、古さと新しさの彩りの鮮やかさをいうのだと思います。

多才も同じように、古典と新作の両方を演じられる役柄の広さではないでしょうか?

ただ表の顔、裏の実力は、新しい情報、新しい技術でなければなりません。

これらの力をぜひ発揮してほしいと思います。

『多才力』東京堂出版


櫻井氏は、本書のなかでこう語る。

「私は、いま流行っているものに近づくのは、あまり好きではありません。それは間もなく古くなるからです」

もちろん、いま流行っているものの中でも、これから何十年も残るようなものは出てくるかもしれない。

しかし、それらはほんの少数で、雑誌やマスコミで話題になったような流行っているもののほとんどが、消えていく運命にある。

これは、企業の盛衰でも言えることで、その時代の花形だった産業は駄目になっていく。

1952年代は石炭産業が栄え、1960年代は繊維産業、1970年代は鉄鋼業…。

そして、ITやAI、ロボットの進化により、今後10年以内に半数の職業や会社は消えていく、とも言われている。

「人の行く裏に道あり、花の山」という言葉がある。

これは株取引に使われる言葉だが、人の生き方もまさに同じところがある。

「皆がやっているから」「大手の企業がやっているから」「専門家が大丈夫だと言っている」…。

独自の情報をとって、勉強し、独自の生き方をする。

「1つの能力、1つの特技、得意技では、世の中を渡れない」

まさに今、一つの専門分野に限らないマルチな才能、「多才力」が必要とされている。



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